日本酒×パン

 以前書いた記事、『パン、パン、酒、パン』では、パンと日本酒の組み合わせについて、考えてみた。
 好評だったこともあり、今回は続編。第2弾だ。
 しっかりとした記事(生地……パンだけに)にしていきたい。

 日本酒は、和食だけでなく、いろいろなものに合う。
 洋食の定番であるパンを例にとり、その魅力の広がりを検証していく。
 普段このブログでは、味の詳しい説明はしないのだけど、今回は例外的に詳しく書いているので、そのあたりにも注目して読んでいただけたらと思う。

用意した日本酒


 今回用意した日本酒は、『巖 特別純米601号生』だ。
 写真の通り、高井専務の手書きラベルになっている、なんとも個性的なラベル。
 正直、達筆とは言い難いが、独特の丸み掛かった文字に可愛さを感じる。

 僕の持論では、「飲む前にあまり情報を入れないほうが、飲んだときの驚きが倍増する」というものがある。
 また、その反対に、「たくさんの情報が入っていて、何度も飲んでいるお酒でも、何度飲んでもおいしいものは素晴らしい」というものもある。

 ラベルにこれだけの表記があると、事前情報により、なんとなくの味が掴めるので、前者の「驚き」の面では飛び抜けたものは感じにくい。
 しかしこのお酒は、これだけの情報が入っていても、何度飲んでも、おいしい。だから素晴らしい。

 とは言え、やはり一度飲んでみないことには、その味わいを感じられないので、是非飲まれることをオススメする。
 飲み飽きしない、山田錦らしい甘みが感じられて、僕はとても好みである。

パンは大人気のこちら


 パンは京都名物、志津屋の『カルネ』を差し入れでもらったので、こちらと合わせてみる。
 日本の歴史が残る町、京都の名物は、八ツ橋(おたべ)だけでなく、パンもあるのだ。京都に来られた際は、是非おたべ。

 カルネのおいしさの秘密はこちらのリンクに詳しく書かれているので参考にしていただきたい。
 ポリンキーの三角形の秘密と違って、こちらでは詳しく教えてくれている→『志津屋―カルネ』
※読んだら、このページに帰ってきてね。

 具はハムと玉ねぎだけで、マーガリンの塗られたふんわりフランスパン。
 こんなシンプルなのに、すごくおいしい。

 バターの代わりとしてよく使われるマーガリン。
 実は僕はマーガリンが苦手なのだけど、このマーガリンは、バターよりもおいしいんじゃないかと思った。
 さすが、某TV番組「秘密のケンミンショ○」などで取り上げられただけあって、食べる人を選ばないおいしさだ。

事前の準備が大切

 日本酒『巖』のおいしさはわかった。
 パン『カルネ』のおいしさも理解した。
 でも今回の目的は、これらが本当に合うのか? その検証である。

 日本酒『巖』は、冷蔵庫で保存し、冷酒としていただく。
 常温になれば、さらに甘みは増すが、今回ベースとなるフランスパンに合わせるには、冷酒で感じられるくらいの甘さが最適だと判断した。

 さらに、酒器はワイングラスを用意した。香りを広げ、口当たりの優しさを意識するためだ。

 パン『カルネ』は、オーブントースターで軽く温めると、さらに風味が増す。
 冷酒と合わせるので、温めずに冷たいままで食べ、お酒と温度を合わせるのが定石かもしれない。
 しかし今回は、カルネの風味と日本酒の軽い甘みをマッチングさせたいので、30秒ほどオーブントースターで火を入れた。

検証結果

 さぁ、準備は整った。
 合わせてみせようホトトギス♪

 まずは、パン『カルネ』を一口。
 シャキシャキ玉ねぎの苦みと甘みを、ハムとペッパーが引き立て、それらをマーガリンがまろやかに包み込む。

 カルネを飲み込むか飲みこまないかというところ。
 口の中は、マーガリンの油と玉ねぎの苦みが余韻として残っている。
 鼻には小麦の香りも霞んでいる。

 ここで日本酒『巖』を一口。
 ワイングラスを口元に近付けたときの上立ち香と、微かに残っていた小麦の香りがマッチング。
 迷わずグラスを口につけ、傾けた。

 口に入れた瞬間に広がる濃厚な旨味が、玉ねぎの苦みを消し去り、マーガリンの油と絶妙に絡み合い、更なる旨味に変化させる。

 口に含んだお酒を飲み切ると、鼻から抜けるマーガリンの爽やかな香りが、またも僕の手を日本酒に伸ばさせた――。

 ……あぁ、おいしかった。

 日本酒に、さまざまな種類があるように、パンにもさまざまな種類がある。
 惣菜パンは、日本酒と合わせやすいように思う。

 次に検証したいのは、菓子パン。
 さらには発展して、ハンバーガーやドーナッツといったところにも合う日本酒を見つけていきたい。
 一見合いそうにない、意外な料理と日本酒を合わせてみると、新しい発見に至ることがあり、とてもおもしろい。

 みなさんもぜひ、さまざまな料理と日本酒を合わせてみては、いかがだろうか。
 日本酒の可能性は、ますます広がる一方である。

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