日本酒を飲む環境と喫煙~飲食店にて~

 パッと思いつくだけでも日本酒は、料理や本、着物、笑いなどと相性がいい。
 しかし、唯一と言ってもいいほど相性が良くない(と思う)ものが「たばこ」だ。

 なぜ、日本酒と、たばこは相性が良くない(と思う)のか。
 そして居酒屋等における喫煙の現状から、今後の日本酒を飲む環境について考えていく。

たばこは決して悪者ではない

 最初に述べておかなければならないのだが、僕は決して、たばこを否定しないし、もちろん喫煙者も否定しない。
 たしかに僕は非喫煙者ではあるが、たばこを吸う人の気持ちは理解しているつもりだ。
 僕がたばこを吸わない1番の理由は、「においや味が好まない」ということ。
 だから、たばこが好きな人は吸えばいい。

「受動喫煙対策法案」として、飲食店は原則禁煙(分煙)にしなければならない――などという。
 ……なにをしょーもないことを言っているんだろう。

 禁煙かどうかなんてことは、それぞれ、店の方針で決めたらいい。

 そんな法案が通用するなら、「ニンニクの入ったラーメンを提供禁止」や「服ににおいがつく焼肉屋さんは営業禁止」というのも一緒だ。

 たばこを好まない人は、禁煙(分煙)のお店を選んで行くだけのこと。
 店側には責任があって、客側には選択があるのだから。

日本酒と、たばこは相性が良くない?

 たばこは悪者ではないと思うのだが、日本酒と、たばこの相性については……僕は、良くないと思っている。
 たばこのにおいで、日本酒の香りがわからなくなるからだ。

 日本酒の味の半分以上は、香りが占めている、と考えている。
 香りの強い日本酒が良いという意味ではなく、「香りがない」ことも、わからなくなることが問題なのだ。

 僕なんかはひどく、たばこの煙を吸うとムセてしまって、日本酒を飲むことさえもできなくなる。
 しかしながら僕の意見だけで、日本酒と、たばこの相性が良くないものだと結論するには、まだ早い。
 居酒屋で、日本酒を飲みながら、たばこを吸っている人をよく目にする。
 僕の友人にも、多くいる。

 たとえば、そういう人の近くで日本酒を飲んでいたとして、「日本酒ってものはな――」とうんちくを垂れるのは野暮だ。
 店が許可しているのであれば、怒るのもお門違いである。
 人には、それぞれの正義があるのだから。
 そういうお店や席を選んでしまった、自分に責任があって、運がツイていなかっただけだ。

 友人に、どうして日本酒を飲みながら、たばこを吸うのかと聞いてみた。
 その友人いわく、「気分を落ち着かせる最高の贅沢」だそうだ。

 日本酒と、たばこの相性。
 人それぞれ感じ方は違うみたいだ。

これからの日本酒と、たばこ

 上でも述べたが、飲食店で絶対的に禁煙にすることには断固反対する。
 日本人の、喫煙者と非喫煙者の割合は、だいたい2:8くらいという。
 8をとって2を排除することが、正しいとは決して思えない。

 多数派が正しいのではなくて、おもしろいほうがおもしろいのだ。

 たばこのにおいで誤魔化さず、日本酒本来の味を味わってほしいという意見は、ある一方から見ると正しいようにも思えるが、見方を変えると傲慢でしかない。

 日本酒と、たばこを組み合わせることが至福と感じる人も、現にいる。
 例の法案のように、強制された「善」に魅力はない。
 人の優しさや、こだわりを感じられないからだ。

 いろんなお店があって、いいじゃないか。
 選択肢は、多いほうがおもしろい。迷うけど、それもまた然り。

 これらを踏まえて僕の選択は、
「禁煙(分煙)にしている飲食店のほうが好き」
 そして、傲慢だと理解していても、「日本酒本来の味を味わってほしいから、日本酒を飲むお店では、たばこを吸ってほしくない」と考えてもいる。あまり主張はしないけど。

 みなさんは、「日本酒と、たばこ」について、どうお考えだろうか?

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