手酌酒が、一番おいしくない!

 タイトルの「手酌酒が、一番おいしくない!」とは、僕の口癖だ。

 僕と一緒に飲んだ人には、耳にタコとイカができるくらい言っている。
 ……うん、めんどくさいと思う。
 今年の流行語大賞になるので、許していただきたい。

 複数人で飲んでいるときに、手酌酒をするのと、だれかに注いでもらうのとでは、味が変わる。
 栄養も成分も変わらないが、「やさしさ」の含有量が変わる。

 たとえば、たまねぎなんかも同様。
 弱火でじっくり炒めるのと、強火でさっと炒めるのと、糖度は変わらないそうだ。
 まったく同じ成分だが、僕は前者を食べたいと思う。

 そこに「やさしさ」が加わっているから。

 話が飛躍するが、スマホもそう。
 一緒に飲んでいるときに、スマホをいじる人がいる(メモや絶対的な連絡以外で)。
 幸い、僕の周りにはいないが、それって、同じ空間にいるのに、違う世界を生きているヨーダ。

 僕たちは、お酒を飲むのに、お酒だけを味わっているわけではないだろう。
 その空間をも味わっている。
 いつ、だれと、どこで飲むか?
 だれかと一緒に飲んでいるのに手酌酒をするのは、一人の世界で飲んでいるのと同じ。

 だから。
 手酌酒が、一番おいしくない!


※日本酒の「注ぎ方」基本マナー
 ・勝手に注がず、必ず声をかける。
 ・前に飲んでいるお酒が杯に残っているときは注がない。混ぜない。

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