実に2年半ぶりの再会だった。
つまり、僕が日本酒作家になってからは初めて。
飲みに行くとなれば、自然と日本酒が充実しているお店を選んでしまうし、友人も文句を言わない。
一人暮らしをしていた家が近かったので、夜な夜な酒盛りをして、そのままラーメンを食べに行ったり、ときには朝一番の温泉に行ったこともあった。
慣れ合いではなく、それが二人の選択であるように。
なんばパークスにある「仙台牛たんとお酒 もりの屋」さんにお邪魔する。
この店は初めてだったのだけど、日本酒が充実しており、リーズナブル。利き酒セットもあった。
牛たんポテトサラダを注文。
これは日本酒と相性がよい。もちろん、このままでもおいしい!
利き酒セットを注文。
可愛らしい女性店員さんが、大量のお猪口が入ったカゴを持ってきた。
「お好きなお猪口を選んでください」
「好きなのを、3つ選んだらいいんですか?」
「3つじゃなくても、お好きものを選んでください」
利き酒セットは3種類なのに、なんでいくつでも選んでいいのだろうか? 疑問が生まれたけれど、あまりにも女性店員さんが可愛らしかったので、許してあげる。美しいは罪である。
趣きのあるお猪口を3つ選んだ。
ふと考える。
もしかしたら、お猪口以外に私も選んでください。
という意味も含まれていたのだろうか?
だとすれば、なんて失礼なことをしてしまったんだ!
日本酒作家失格だ……と落胆している僕は、その前に人間失格。太宰が呟く。
・特別吟醸 真澄 辛口生一本
・特別純米 浦霞 生一本
・特別純米 一ノ蔵 辛口
これら80mlずつあって、973円。リーズナブル!
どれも、おいしゅうございました。岸朝子です。
リーズナブルに、おいしい日本酒を飲めるって、素敵なことだと思う。
米不足の時代は、コスト軽減のために、安いお酒をつくっていたけど、時代はとっくに変わっている。
これからは、高いお酒でも、どうすれば気軽に飲んでもらえるか考えていくことが大切なんじゃないかな。
20歳になったばかりの大学生が、おいしい日本酒に気付かないのは、そういった「大人たち」の工夫が足りないから。これは自分にも言い聞かせているのだけど。
人の数だけ正義があるけど、「やさしくて、おもしろくて、つよい」正義をもって生きていきたいな。
……なんて話を、友人と語ってから、別れを告げた。
「がんばろう!」って、言い合える仲間がいることは幸せだ。
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