酒になりたい

 僕は、お酒が好きすぎて、お酒になりたいと思っている。
 
 今回は、僕と同じように、お酒になりたいという感情を抱いている人に、「お酒になる方法」を伝授する。
 くれぐれも先に言っておくが、今回はそういう感情を抱いている人に向けた酒話だ。
 それ以外の人は、変態を見る目で読んでいただけると、ちょうどよろしいかと思われる。

空きビンをリユース


 家で日本酒を飲み切ったとき、必ず空きビンが出る。
 そのまま「ビン・カン」のゴミ箱に入れてしまう、「鈍感」な人もいるけど、僕はお風呂場に持っていく。

 お風呂場でなにをするかと言うと、ここでラベルを剥がす。
 日本酒好きには、ラベルコレクターは、相当数いると思うのだけど、一番ポピュラーなラベルの剥がし方は、お湯に浸ける方法。お湯で糊を溶かすのだ。

 洗面台などで剥がしてもいいのだけど、「お酒になる」には、お風呂場に持っていく必要がある。

 用意するのは、日本酒の空きビンを数本。
 5本ほど集まれば最高だけど、まあまあ場所も取るので、その辺りはそれぞれ同居人の顔色を窺っていただきたい。

お酒になる方法

1.お風呂に入る。
 ビンのふたを閉めたまま湯船に空きビンを浮かべる。抵抗のある人は、ビンの表面を軽く水洗いすればいい。
2.ビンのふたを開けて、ビンの中にお湯を少し入れる。入れすぎ注意。
3.すべてのビンにお湯を入れたら、ビンの口の部分の香りを嗅ぐ。日本酒のいい香りが鼻腔を通るはずだ。
4.すべてのビンを両手に抱え、ビンの中のお湯を、滝行の如く、一気に頭からかぶる!

 引力のままに頭上から降りかかる「聖なるお湯」は、あなたの頭、身体、心を覆い込むだろう。

 はぁ~~~
 酒になった~~~

 そんな気持ちが全身を包み込む。
 一瞬の出来事なので、なにが起こったのか分からなくもなるが、その瞬間、あなたは酒になっていたのだ。

 いかがだろう。
 これが、日本酒作家改め、日本酒変態の教える、「日本酒になる方法」だ。同じ気持ちを抱いている人は、試してみるがよろしい。


 一段落して湯船に浸かる。
 糊の溶けたラベルを剥がしながら思う。

 僕は、なにをやっているんだろう……と。

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